焦げ付いた借金の買い取り

札束

「サービサー」という言葉について聞いたことがあるでしょうか?

一般の人は聞いたことが無いと思いますが、銀行などの金融機関で利用されている債権を買い取る会社の事です。 バブル経済崩壊後に金融機関は融資した資金の回収が困難となり経営不振に陥りました。

その際に、銀行の自己資本比率に制限が設けられて、不良債権をそのままにしておくという事が出来なくなりました。 銀行は自己資本比率を改善するために、不良債権を外部に売る必要があったのですが、この際にこの債権を買い取ったのがサービサーです。

サービサーに売却された債権というのは基本的に回収が困難で焦げ付いた債権であるという事です。 サービサーは、不良債権を格安価格で買い取っているので、サービサーだけが損をするという訳でもありません。

銀行は、返済日までに借金を返さないとお金を貸した債務者に対して督促を行います。 それに対して借金返済が行われないと、その債権は銀行内の回収専門の課に引き渡されます。

ここでも督促が行われますが、債権者がこれも無視をすると、銀行はこの債権をサービサーに売却をします。 大雑把に説明しましたが、サービサーはこの様な流れで利用をされます。

また、債権者が資産を持っている様なら銀行はサービサーに売却せずに裁判を起こして、強制執行により債権者の資産を抑えて資金回収をする場合もあります。

サービサーは損をしない

サービサーが買い取る価格は、本来の債権価格の5-10%程度です。

例えば2千万円の債権があったなら、サービサーは100万円から200万円程度で買い取りを行います。 サービサーから債権者への借金返済の請求は、最初は満額を求められますが、債権者が返済できない様だと徐々に返済請求額を下げていきます。

債権者にとってすれば2千万円の借金があったのに、返済は500万円で良いと言われたら、お金があれば支払いますよね。 返済請求額を下げたにもかかわらず債権者が支払いを拒否する場合には、サービサーが回収のための裁判を起こすこともあります。